2010/09/08
製作者のページー490
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苗を植え終わった田んぼをよく見てみると苗はある程度均一に植わっていいるが全体的には苗の間隔がかなり粗くすけすけ状態である。
何故こうなったのかがよくわからないまま”これはみっともないことになってしまった。大失敗だから全部トラクターでひき潰してしまおうかな・・”と内心思ったが先日の市役所の課長との会話を思い出した。
師匠に手伝ってもらって何度も井戸を掘ったのだが充分な水量が確保できないので市の道路保全課に出向いた。
応対に出た課長に、私の田んぼは以前市の道路(市の道路と言えばかっこはよいが平成の市町村大合併以前は村の道路で2階級特進で市に昇格しただけの話なのだが)を挟んだ反対側の水源から水を引いていたが7年ほど前の道路工事の時にこの水の道を分断された。市の責任だからこの道路の下に水を通す管をひけるようにして欲しいといった。少し時間はかかったが市はこの道路を一度掘り返して水を通す管埋め込んだ後アスファルトを敷いて修復した。
この時課長は私に対して「お約束どおり水路用の管を通しましたが途中で田んぼをやめるようなことはしないでくださいよ」と言われたのである。「いつ死ぬかはわからないが生きている限りはずっと続けますよ」と言った舌の根も乾かぬ間に田んぼをやめたのでは格好がつかない。補植しようかとも思ったが面積が広すぎるので何日かかるかもわからない。一番忙しい時期だったので補植も見送ることにした。しかしこれから肩身の狭い日が続くのである。
普段であれば稲が生長するにしたがって田んぼの水面は見えなくなるので少々田植がへたでもわからなくなってしまう。ところが今度の田んぼはいくら時間が経ってもすけすけの状態である。そしてこの稲の間に水草が発生し去年と同じように芦や他の雑草も生え始める。
この田んぼは公園やキャンプ場に行く道に面しているので比較的人通りも多い。「この田んぼは見世物ではありませんので見ないでください」と看板を立てようとも思ったが、看板を見た人が何故だろうと田んぼを覗いてはやぶ蛇なのであきらめた。
苗がうまく育たなかったのは種籾の中に発芽しない籾のついていない米がかなり含まれていたためである。種籾を一番最初に確保せず一番最後の残り物を使ったための結果である。
このみっともない田んぼもあと1〜2週間で稲刈りができるところまでこぎつけたのは不幸中の幸いである。
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