輸入住宅・建材・アクセサリーのメイン通商
家・店舗のリフォームや建築・設計・コーディネートに役立つ情報満載。定番的輸入建材・家具・アクセサリーなどを紹介しています。
| 管理用 |

手造りハウス奮闘記
このコーナーは私の学生時代の友人が田舎暮らしにあこがれ、栃木県那須地方に奥さんと二人でセカンドハウスをハーフビルドというやり方で家を建てる過程での苦労話や興味ある話を本人自身の手で書き綴ってもらった物である。
これから自分自身で家を建てようとか、田舎暮らしをしてみたいと思っている人には大変参考になると思いますので是非ご愛読ください。
 2002/03/21  15 床貼り

壁塗りが終ると次は床貼りだ。それはなかなか楽しい作業だ。木の香りがとてもいい。それに作業がはかどるたびに床に積み上げた材料が確実に減っていくのがわかるので完成していくなあという実感が感じられる。
 床に使う材料は厚さ17ミリのパイン材だ。長さは5メートル近くありフシが多い。また傷や反りのあるものも結構混ざっている。だからスライドソーでカットする前に一枚一枚、目で良く見てチェックして悪い部分は左右をカットして使わない。脇に寄せておく。
さてはじめにとりかかったのが壁塗りと同じく寝室だった。広さは8畳分ある。
部屋の長さを計測する。355センチあるのでこの長さにパイン材を一枚一枚カットして行く。しかし傷やフシがあって作業はそうすんなりとは行かない。フシをうっかり見逃すとまずい。「死にブシ」と言って真っ黒でその丸いフシがすっぽりと抜けてしまうのが困る。黒いフシを見つけると長い板をたぐって目の前までもってきては指で押してみて使えるものかどうかチェックしなければならない。床に施工した後でフシが抜けると補修がうまく出来ないからだ。ともかく寝室に必要な枚数を揃える。全部で28枚だ。
寝室の奥から施工する。板の両側はそれぞれ凹凸があり、一枚目は凹面を壁に押し付けて取りつける。とりつけは手前の凸面に45度の角度で38ミリのスクリューネイルを金づちで打つ。出っ張った釘の頭はネイルポンチで完全に打ちこむ。こうすると次の板を差し込んだ時に釘は見えなくなる。2枚目は凹面を1枚目の手前側の凸面に差し込んでから手前凸面を釘止めする。この繰り返しだ。反っている板があるので機械的にはできない。左手でウンと力を入れて押し付けながら釘を打つ。それでもだめなら釘抜きと当て木を使って押しつけながら作業を進める。一人ではなかなか難しいときもある。
こうして手前の最後に来たときに注意が必要だ。つまり最後の1枚は巾がぴったりと言う訳にはいかないのでカットしなければならない、そして床に取りつける時は最後の2枚を
1度に施工する。こうしないと壁との間が大きく空いてしまうからだ。
このようにして寝室は完成した。

その後、玄関ホール、洗面所、押入れ、階段下を完成した。リビングルームは義兄に手伝ってもらった。これは大変助かった。私が板のカットをして義兄が釘打ちをする。そして板が反っているときは私が釘抜きを使って板の最も曲がっている部分を押しつけながら義兄にすばやく打ってもらう。この連携プレーがうまくいったのであの広いリビングは3日ぐらいで完成した。しかしこのときは正直言ってもうクタクタだった。
2階の床は予算の都合上、乱張りの化粧合板にした。その施工は全く簡単だった。なぜならまずフシ・反りは全くないので選別してその部分を除くという面倒な作業が不要だ。
また板のサイズが180x30センチで巾がうんと広い。カットする手間が半分以下である。しかも板と板のつなぎ目に隙間が空きにくいので仕上がりがきれいだ。
しかし完成後の住み心地は当然、無垢のパイン材の方がずっと良い。パイン材は足の感触が心地良い。これに対して化粧合板はつめたい感触だ。
..............................................................................................................................................................................
【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二
 2002/03/07  14 ヤグラはずれる

リビングにある大きなヤグラは家造りの進捗を示す象徴的なものだった。
というのはヤグラがある限り壁塗りが完成していないという意味だからだ。このヤグラを作ったのは内装工事を始めてからまもなく1ヶ月目に近所のHさんの助けを借りてばたばたと短時間で組み上げた。その組立て方は2x4材を使って柱を立て長方形の枠を造り、一番上と中段にそれぞれコンパネを貼って完成させた。すべて38ミリのビスを使った。
しかしメーカーの人のアドバイスはヤグラではなかった。
それは「リビングの南北の壁に向かって2メートル強の高さに何本か2x6材を縦に打ちつけてからその2x6材の上にコンパネをビス止めして足場とする」というものだった。しかし南北の壁の距離は長いところで4メートル50もある。
施工のスタート時にこの方法を聞いたがその後偶然、別の大工さんと話をすることがあって足場の作り方をきいてみたところ全然違う返事だった。それは壁にそんな長い板を打ち付けてしまったら作業が進むたびに足場を変えて行かねばならないためそのたびにビス止めされている2x6材をはずしてはまた付け直すというめんどうなことをしなければいけないというものだった。
なるほどと思った。付け直すといってもリビングルームの真ん中には長い長い床用のパイン材が山積みになっているためそれをまたいで作業しなければならず思うようにできないだろう。この床用のパイン材は量が多いため最後の最後までその圧迫感で苦しめられた。
さてこのヤグラであるが少々グラグラしており昇り降りのたびに揺れるので怖い。昇り降りは高さ2メートル10の脚立を台に立て掛けて行う。台には斜めに筋交いをいれてあるが何しろ大きいので揺れるのだ。やがてこれにも慣れてきた。

こうして作ったヤグラはまず高い部分の壁と天井部分の断熱材貼りに大いに役に立った。その次に息子の応援を得て一気に天井材貼りが完成した。この時、息子は薄い生地のコットンパンツをはいて作業をしていたが台の端に腰掛けてずるずると尻をコンパネにこすりながら移動したためコンパネの表面の細かいささくれが尻に刺さり痛い痛いとこぼしていた。私は移動するごとに台の上で立ち上がっていたのでそういうことはなかった。
天井貼りが完成してから壁塗りに入る。これはワイフのお兄さんの応援を得て二人で塗ったが広いので20キロ缶を15缶も使い塗っても塗っても終わらないという感じだった。
しかしそれもやっと終り壁の塗料が乾いたことを確認してからいよいよヤグラの解体だ。かねてより1日も早くこわして部屋を広くしたいと思っていた。ヤグラの一番上のコンパネからビスをはずす。電動ドライバーで逆回しにするだけなのでいとも簡単だ。次に2段目に置いてある工具類やマスキングテープなどをきれいに片付けてから枠も一気にばらしていく。最後の枠を壊したとき対面側に立っていたワイフの顔にもう少しでぶつかるところだった。疲れていて注意散漫になっていてひやっとしたがセーフだった。用心用心。
ヤグラのない天井を見上げるととても広く感じる、やっと部屋らしく見える!
さて、まとめとして高いところの作業用の足場について考えてみたい。
まず手を伸ばしてもちょっと届かない高さは脚立よりも踏み台の方が乗り降りがはるかに便利だ。それより高い所はもちろん脚立だがいきなり2メートル10の脚立だと作業性がまるで悪い。従って3段ぐらいのうんと軽い脚立が必需品だ。もしこれを2台買えば2台を並べてそこに長い2x10材等の板を渡して馬として使える。私はこれをしなかったが後で考えるとその方がもっと楽に作業が出来たと思う。それと2メートル10または2メートル40の脚立が必要だ、これは2階建ての家の場合、階段取付までの間の階段としても使用できる。更に広い部屋の作業台としてヤグラが必要だ。私のように自分で作っても良いし、レンタルで鉄製のヤグラを借りることもできる。これは鉄製のパイプ枠に3段くらいの網が張ってありパイプの足元にはローラーが付いていて移動がやや楽だ。しかし重い。
こうしたことは大工さんとかメーカーの人に相談すればよいと思う。
..............................................................................................................................................................................

【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二
 2002/02/21  13 いよいよ壁塗り

壁の石膏ボードを貼り終わったらいよいよ壁塗りだ。

壁の仕上材料は「タナクリーム」という真っ白な「漆くい」のような材料だ。
モデルハウスを見せてもらった時その仕上が荒々しい波を打ったような表面に強い印象を受けた。内心ちょっとワクワクする、どんな仕上になるのか。いよいよ今度は自分で作れるのかと思うとうれしい。
施工の順序は次のようなものだ。
1) シーラー塗り:これは壁に防水幕をはるためのもので薄い乳白色の液を水で2倍に薄めて使う。
2) 中塗り:クリーム状のタナクリームにさらさらの珪砂をタナクリーム2に対して珪砂1の割合で良くこねてから塗る。
3) 仕上塗り:仕上のためにタナクリームのみを良くこねてから塗る。
壁塗りは天井、壁、床それぞれの施工が終っていなければ出来ない。寝室は床の施工まで終っているので最初に塗ることにする。左官用の小手も買い揃えた。
まずローラーを使ってシーラーを塗る。ミルク色の液状のものを上から下へ塗る。一塗りするたびにタラタラと下にたれるのでローラーにしみ込ませる量を加減しないといけない。
下にたれたまま放っておくと一番下の巾木にかかってべとべとする。そこで濡れ雑巾をいつもそばに置いてすぐに拭く。こうして塗った後は半日ほど乾かす。

次に中塗りにはいる。ここからが壁塗りの本番だ。まずタナクリームと珪砂をバケツに入れて小さなシャベルで良くかき混ぜる。分量はタナクリーム2に対して珪砂1の割合だ。
水は使わない。こうして練ったタナクリームを小手を使って少しづつ塗る。目の高さから塗り始める。この作業は特別難しいことはないが結構指が疲れる。小手を持つ手が疲れてくる。均等に伸ばすように何回も壁をなぞるように塗っていく。
難しいのは窓枠とか天井とかの境目の処理だ。枠のところにきたら溝ができないように少し強く押し付けるように塗る必要がある。天井の場合、天井材に凹凸があるのでへこんだところは多めにタナクリームを押し込むように塗る。
中塗りの時も時々下にたれるので部屋の壁の下全部に新聞紙を敷いて養生する。この時も巾木にべっとりとたれるのですぐさま塗れ雑巾で拭く。しかし疲れてくるとすぐに拭かずに後でまとめて拭こうとついものぐさになってくる。そうすると後で拭いても白いクリームがこびりついて中々取れない。押し入れの両脇などの巾の狭いところは小手が大き過ぎて使えないのでうんと巾の狭いプラスチックの小手を使ってやる。
そして最後に仕上塗りだ。これはタナクリームのみを塗る。しかしこれも1回ごとにバケツにとってからシャベルで良くかき混ぜる。手が疲れてくるとこのかき混ぜるのがきつい。手が痛くてとても早くは出来ないのでゆっくりやる。
この仕上塗りは中々楽しい。モデルハウスを見せてもらった時の壁のように仕上は
小手の跡をつけるようにして模様をつける。これが乾くとかなり見栄えがする。
こうして寝室の壁塗りは完成した。大変だったのはリビングルームだった。義兄の応援を得て二人でやったが面積が広くて塗っても塗っても終らない。結局、丸四日かかってやっとできた。ここでタナクリームをあらかた使ってしまったので後で足りなくなって困った。
どうやらリビングルームの中塗りを厚く塗りすぎたようだ。
...................................................................................................................................................................................
【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二
 2002/02/07  12 電気工事とトラブル

今回は電気工事の話をしてみたい。
セルフビルドの家造りといっても素人である我々は電気工事は電気屋にまかせなくてはならない。しかし、注文主としての施主はポイントを抑えておかなくてはならない。
私の場合、見積の段階で自分のニーズに良く答えてくれるところを選んだ。自分のニーズとはまず限られた予算の範囲内で照明器具の手配と取付工事をやってくれることが条件だった。
私が選んだ電気屋は実にていねいに照明器具を選んで勧めてくれた。その電気屋が扱っているメーカーのカタログを郵送してもらって予算と相談しながら型番と値段を一覧表にして建てようとする家の平面図と共にファックスで送った。そして見積書の到着を待った。まもなく大きな厚紙が届いた。それには私が送った平面図が貼りつけられその余白にカタログの照明器具の写真が貼られている。もちろん値段がついている。これはビジュアルで大変見やすくイメージが作り易かった。
電気工事は家の内装の進行に合わせて進めなくてはならないがこの電気屋はとてもフットワークがよくてしょっちゅう来てくれた。
工事の手順はおよそ次のようなものだ。

1) 仮設電気工事:
これは建築確認申請として許可が下りてから近くの電柱から仮設用の電線を引く。引いた先端は家のすぐ近くに棒を立ててそこに外部用の防水コンセントが取りつけられる。使うときはコードリールに巻いた電線を引っ張ってきてこのコンセントに差し込み、このコードリールを巻いたドラムを家の中に持ち込んで使う。
2)家本体への引き込み工事:
上棟工事が終って内装に取りかかる時に仮設の電線をはずして恒久の電線を引きこむ。配電盤もこの時に洗面所の壁に取りつけてもらう。
3)内部配線工事およびスイッチ取付工事:
2x4材の壁の横に穴をあけて各部屋の天井に配線工事をする。その前に工事をしてくれる電気屋と家の中の配線位置やスイッチの取付位置を確認する。後で取付位置の変更がないようにしっかり位置は決めておかなくてはならない。

この段階では照明取付位置である梁や2x4材の中心から裸電線が下に垂れ下がっている状態である。これが出来ると天井の断熱材貼りおよび天井材の施工を始めることが出来る。次に壁に石膏ボードを張る。この時点ではスイッチは樹脂製の枠のみでカバーはしていない。スイッチがある部分に石膏ボードを張る時には四角いスイッチボックスにあうように穴をあけておかなくてはならない。
カットした石膏ボードをあててみるときちんと測ったつもりの四角い穴がずれるのには困った。初めて洗面所の壁を施工した時は穴が大き過ぎてどうやっても壁の中が見えてしまう。仕方がないので細い合板を丸のこでカットしてその隙間を埋めた。しかし時間がかかる上に仕上がりの状態も良くない。2回目からは少し小さめの穴にしたら次第に良くなった。正に「習うより慣れろ」である。
4)照明取付工事:
壁工事が終ったところから少しづつ照明器具を取り付けてもらった。
2回か3回に分けてやってもらった。
以前にも説明したと思うが配線工事ではトラブルが発生した。それは2階の壁の石膏ボードを張った後、停電になった。いろいろ調べてもらった結果2x4の横を通した電線が手前に付け過ぎていて石膏ボードを張った時、38ミリのビスがこの電線を切断していたことが分かった。発見が遅ければショートして火事の原因になるところだった。これは全く思っても見なかったことなのでこれから家を建てようとする人は配線の時にはよく目を光らせて見ておく必要があると思う。
.......................................................................................................................................................................................
【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二
 2002/01/24  11 階段造りに挑戦



階段は難しいと何回も聞かされてきた。そのせいでもないが施工は後回しになって結局、取りかかったのは家造りの最後の工程に近かった。マニュアルはなく、メーカーの人から簡単な口頭の説明で2x10材をカットして造るというものだった。
作業手順は次の通りだ。
1. 階段の長さ・幅・取付角度の採寸、2. 型紙作成、3. 型紙による取付寸法確認、4. 階段材カット、5. 階段材取付、6. 踏み板カット、7. 踏み板と踏み板の間に取付る合板のカット、8. 踏み板と合板の取付、9. 踏み板の塗装
まず取付位置の上と下に釘を打ってから斜めに糸を張る。次に5.5メートルのメジャーを使ってこの糸の採寸をする。3メートル80センチある。この長さが階段材の必要な長さとなる。更に階段の1段目となるリビングの床から2階の床までの高さを測る。高さは
270センチある。階段の1段目から最終の13段までを真上からみた長さも270センチだ。従って傾斜はちょうど45度だ。階段の幅は797ミリある。
これをもとに何回も階段の横断面図を書いてみた。1段の高さは20.8センチとする。
ダンボールで型紙を作ろうとしてみたがまずこんな長い紙はないので2枚で継ぎが必要だが継ぐとどうしても曲がってしまう。それに4メートルの長いものを実際の階段取付位置に当ててみることが出来ない。途中でぐにゃりと曲がってしまうのだ。そこであきらめて薄い板で代用することにする。材料は天井材として使った厚さ7ミリのパイン材がある。しかし幅は8.5センチしかない。実際使用する2x10材の幅は23.5センチあるので同じサイズの型紙材を作る必要がある。そこで3枚をつなぎ合わせて23.5センチになるようにしてテープでとめる。両端を丸のこで角度をつけてカットする。これを「型紙材」と呼ぼう。

この型紙材を慎重に階段取付部の左右にあててみる。取付角度をちょっとでも変えるとこの型紙材の下面が床から浮いてしまう。実に微妙だ。正しい角度はどうも45度丁度ではない。もう少しゆるい角度だ。何回か調整してカットし直す。踏み板を取付る3角の切れ込み部分も1段目だけカットする。今、考えるとこれで階段の出来映えは決まった。というのはこの後は階段材を採寸通りにカットして取付けるだけだから。カットしたものが正しい角度になっていれば誰が取付ても同じ結果が得られる。
しかしそれは今だから言えることであってこの時はとてもとても山場を越えたという感覚はない。まだ3合目といった感覚だ。さて材料の2x10材は階段取付場所に立てかけてある。全部で6枚くらいある。そのうち2枚は飛び抜けて長い。4メートル以上ある。これを作業場であるリビングルームにあるスライドソーのところに持っていかなくてはならない。リビングの中央にある大きなヤグラが実に邪魔だ。ワイフに片方を持ってもらいやっと所定の位置に移動する。もしこれでサイズを失敗してやり直しになるといやだなあ、と内心、不安が横切る。
教えられたとおり、型紙材をあててははずして鉛筆でカットする線を引いてから階段材を左右2枚分を1度に切る。。そして13段の階段分を鉛筆の線を見ながら慎重にカットする。1段カットする毎に材料をずらしながら切るのだがこの時重ねてある2枚の2x10材がずれるので困る。途中でスライドソーのモーター後方から火花が出てドキッとする。
このスライドソーを紹介してくれた埼玉の友人に電話をして聞いてみる。もし故障ならば作業を中止して埼玉まで持ち込まなくてはならない。「火花はブラシでそうなっているので心配はない」と言う返事で少し安心する。どうやらスライドソーに負荷をかけすぎたようだ。ともかくカットは出来たのでいよいよ取付だ。なぜかドキドキする。一体うまく行くのか。まず左側の取付だ。幸い一番上と一番下の角度はほぼぴったりだ。右側もあててみるとこれも良い。うーん、なるほど階段材を2枚1度にカットするという意味はこの事かと実感する。左右のぶれをなくす為だ。長さ75ミリの長いビスで縦に2本づつ45センチ間隔で留めていく。インパクトドライバーではないのでビスの頭が潜るまでねじ込むのに時間がかかる。更に続けて踏み板と蹴上げ部を隠す合板を13枚づつカットする。そしてこの板を順番に3段目まで恐る恐るそっと乗せてから実際に乗ってみる。ほとんどガタツキはなく実にしっかりしている。バンザイ!ここで「大成功」という実感がこみあげてくる。後は踏み板のビス止めだがそれは順調に進んで完成した。そして塗装は薄い茶色のペイントで仕上て終わった。
...............................................................................................................................................................................
【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二
 2002/01/10  10 内部ドアの取付



内部ドアといっても色々なドアがある。リビングや寝室・居室などのドア、洗面所の吊下げ式ドア、寝室の押入れと階段裏のルーバータイプの両開きドアなどで全部で9箇所もある。
まずトイレのドアから始めた。ドア無しでトイレを使用するのは夫婦とはいえ具合が悪いので早目に取りつけることにする。
ドアユニットはドアとドア枠がビス止めになっている。ドア枠は両脇と上部の3面のみあり下面はない。従って移動の時、引きずるとこの両脇の枠がガリガリと嫌な音を立てて壊れそうになる。ドアのノブは取付けられていないでプレカットされた丸い穴が開いている。ノブは綺麗な金色で中々豪華な印象を受ける。それが小箱に梱包されており、ドアユニット取付後に付けることになる。
トイレ入口のドア取付部分を採寸してみると幅は約68.5センチある。ドアユニットの幅が65センチなのでこの3.5センチの隙間をコンパネ等で埋めなければならない。手持の材料は5ミリ、12ミリ、15ミリの3種類の合板だ。左を15ミリの合板で埋め、右を12ミリと5ミリの合板で埋める。高さが2メートル強あるので1枚板では出来ない。2枚から3枚の長さをつないでビス止めする。この際、ビス止めした位置を手前に鉛筆で書いておく。そしてドア枠を取付けるときもう1度ビス止めをするのでぶつからない様にするためだ。ドアの取付位置は床から12ミリ上がるように両脇の枠を鋸でカットする。
そしていよいよワイフと2人掛かりでずっしりと重いドアを持上げてドア枠にはめ込む。ドアユニットの枠を仮止めで何か所かビス止めしてドアの開閉をしてみる。するとどうだろうか。何てことだ、全く閉まらない!ドアの幅に対してドア枠が狭過ぎるのだ。しかも1ミリどころではない3ミリくらいぶつかっている。この現象はこの後のリビングルームのドアと寝室のドアにも同様に起きた。ドアメーカーの欠陥ではないかと思えてくる。
せっかくはめたドアユニットをまた外して何回も隙間の開き具合を目視でチェックする。隙間材の合板のビスをはずしてカンナで削る。薄いのでやり難い作業だ。それにどうも間柱が垂直になっていないようだ。どうにか取付は出来たがドアはうまく閉まらない。仕方がないのでドアそのものをカンナで削るが中々うまくいかない。削らなければいけない幅がありすぎるからだ。後で大工さんに聞くと建具の施工は本当に難しいと言う。
その後、ドア取付ではトラブルが2回起きた。
1回は洗面所の吊下げ式ドアの取付の時だった。なんと取付個所の洗面所入口の高さがドアより約3センチも低いので物理的に吊下げる事が出来ない。色々やってみたが困り果ててメーカーの人に携帯で相談する。すると吊下げるドア本体の下面を切れという。まさかドア自体を切るとは思わなかった。早速2枚のドアを丸のこで慎重にカットしてみる。
しかし切り口がぎざぎざになった、がともかくレールを付けて吊下げることが出来た。
2回目のトラブルは玄関ホールからリビングへ入るドアの取付である。これはなんと間口が約2センチ狭くてこれまた物理的に取付不能だ!これも携帯でメーカーに電話で相談するとこの家の上棟をした大工さんに依頼してくれという。電話をすると「次の仕事が入っているので仕事が終わってから帰りがけでないと行かれない」という。ともかく6時過ぎに来てもらい問題の施工個所を診てもらう。私が考えていた通り、間柱の2x4材1本分を壊して取り外し、その半分の厚さの18ミリほどの板をまた取付けるという。結局、施工済みの壁を壊し、次に2x4材の上下を鋸で切ってから釘止めされているのをバールを使って無理やりギリギリと音を立ててはぎとった。こんな作業は私にはとても出来ないと感じた。大工さんは、はがした2x4材を器用に半分に割いて38ミリの厚さのものを18ミリにしてもう1度ビス止めした。
そこですぐに帰ろうとするので「ドアの取付まで手伝って欲しい。取付出来るのかどうか見届けて欲しい」と頼んでやっと取付けてもらった。しかし私がトイレのドアで苦労しているのと同じく大工さんのようなプロでも「取付」は出来てもうまく閉まらない。ドアの上とノブのある右側があたるのだ。この大工さんは何でだろうと首をかしげながらカンナで何回も何回も削って1時間半後にやっとできた。最後に「何でこんなことになるのか、一言この間口はこのままでは取付出来ませんよと教えてくれないのか」と聞いてみた。何しろ壊した壁はまた石膏ボードを貼り、タナクリームを塗らなくてはならない。壁塗りはシーラー塗り、中塗り、仕上塗りと3回かかるので丸1日かけてもできない。
すると大工さんは「僕は指示された通りに取付ただけですよ。この間口は工場で作られたサイズのものを組み上げただけで僕のせいではありません」という答えだった。この件は今でも納得が行かない。
うまくいったドアもある。それは2階の2つの居室のドアだった。苦労したトイレや寝室のドアと全く同じやり方でやったが、1回で見事にドアはきちんと閉まった。1階のドアはどれもうまく閉まらないで2階はうまく閉まるというのは1階は重みで間柱が少し曲がっているせいなのか?その理由は今だに良く分からない。
......................................................................................................................................................................................................
【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp  (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二
 2001/12/27  9 窓回りとキッチンのタイル貼り

窓の内装は結構楽しい作業だ。その一つの理由は作業が窓一つ毎に完結するので仕上りが良く目に見えることだ。窓の取り付けは既にプロの大工さんにやってもらっているので窓枠の取り付けをするのが窓回りの作業だ。
まず窓枠延長材を窓の左右と上の3面に取り付ける。居室と洗面所とトイレの窓はサイズが同じだ。縦90センチ、横75センチである。上下の上げ下げ式の窓だ。但し上半分は固定で開かない、アメリカ式だ。窓枠延長材は厚さ20ミリ、幅が60ミリある。これをカットするのだがまず上面の長さ75センチのものを1本カットする、次に左右であるが上の20ミリと下の飾り板17ミリを引いて86.3センチに2本カットする。
窓下面は飾り棚にするため適当な材料を探す。色々考えた末、床に使う厚さ17ミリのパイン材を使うことにする。長さ75センチにカットした後、左右の幅の凹凸面を丸ノコで落とす。次にグラインダーを使って左右の手前部分を丸く削る。驚いたことにグラインダーをパイン材にあてた途端に黒い煙が出た。摩擦のためだ、作業場のリビングルームが焦げ臭い匂いで充満する。板の木口が真っ黒に焦げてしまう。仕方がないのでグラインダーで丸く削ってから、次に紙やすりで黒焦げを落としていく、相当強くごしごしと擦らないととれない。一刻も早く取付を完了したいのにやたらに時間がかかる。
そして取付の前にペイントだ。ペイントは妻の担当だ。グリーンに塗ってもらう。延長材は同じグリーンだが少し淡いパステルカラーのグリーンにする、これは妻のセンスだ。半日弱、外に出して乾かす。乾いたところでいよいよ取り付ける。

施工順序はまず上面の両脇を電動ドライバーでビス止めする。左右とも端から20ミリ以内に止める。次に左右の延長材でビスの頭をかくすようにする。左右は38ミリのスクリュ−ネ―ルを使う。狭い場所なのでハンマーの先が窓ガラスの樹脂枠を叩きそうになる。また釘を最後まできっちり打ち込みたいがあまりやるとハンマーの跡が延長材に残り失敗するので加減が難しい。結構気を使う。飾り板もスクリュ−ネ−ルで止める。次にケーシングの取り付けだ。これは延長材と石膏ボードの境目を隠すための薄い装飾板だ。額縁の枠を釘で打ちつけると思えば良い。角はスライドソーで45度の角度に切る。このようにして75センチx90センチの窓は淡々と出来あがった。このサイズの窓は居室3室
とトイレ、洗面所、階段上で合計9ヵ所を仕上た。
やっかいなのはリビングルーム掃出し窓2ヶ所と2階居室の掃出し窓の合計3ヵ所だった。
窓枠の奥行きが60ミリではなくてそれよりずっと浅いのだ。慎重に測ってみると24ミリから26ミリくらいなので延長材を丸ノコで切らなくてはならない。リビングの窓は幅2メートル、高さ180センチもあるので実にやっかいだ。丸ノコのガイドは幅6センチの狭い板には使えないのでガイドなしで曲がらないようにカットしなければならない。1回は計測を間違えて1センチほど幅が広過ぎた。こんな時は泣きだ。2メートルの細長い板の幅をあと1センチカットする。すると必ず途中で曲がってしまう。仕上りが少しでも不具合だと許せない気分になっているので慎重になる。

キッチン前面の壁はタイル張りにする。妻の発案なので施工一切を担当してもらう。早速、市内にあるタイルショップへ行ってカタログで見た型番を注文する。システムキッチンの収納部の扉の色がレモンイエローなのでタイルも黄色にしてアクセントに横に一列だけグリーンのタイルを使う。10センチ角のタイルを全部で120枚ほど注文する。
広い部分を張る時の順序はまず中央部分に十字に縦横一列づつ貼るのがコツだそうだ。貼るのはタイル用の下地材を水で溶いて塗りつけてからタイル1枚づつ曲がらないように貼る。この作業で大変なのは最後の一列の部分が1枚分丁度にはならないのでカットしなければならないことだ。タイル用のカッターを使うのだが初めは恐る恐るやるので中々うまくいかない。がしかし作業が進むにつれてうまくカット出来るようになってきたのが分かる。そのコツは初めにカッターナイフで筋目を付ける時に力強く一気に筋を引いてしまうことである。4日ぐらいかけて幅255センチのシステムキッチンの前の壁のタイル貼りが完成した。事前に日本橋にあるINAXのタイルショップに行って要領を聞いてみたところ実に良く教えてくれたのでそのノウハウが生かされた次第である。これから挑戦する人はあらかじめ施工のコツを教えてもらってからはじめることをお勧めしたい。どこで教えてくれるかは本などで調べればわかる。

........................................................................................................................................................................................
【読者の方へ】本シリーズに質問のある方はe-mail, faxまたは手紙で下記までどうぞ。
(e-mail) niwata@d1.dion.ne.jp (Tel & Fax ) 0466-33-2946
〒251-0043 藤沢市辻堂元町3-9-5 岩田信二




 2001/12/13  8 洗面所の内装

洗面所の内装に取りかかる。
ハウスメーカーの人のアドバイスによれば「水のかかる場所はコンパネで壁の施工をした方が良い」という。
しかし石膏ボードは支給されたがコンパネは自分で調達しなければならない。そこで早速近くのホームセンターへ車を走らせる。カインズホームがこの辺では最も安価で何でも揃っている店だ。1枚840円で買う。店のトラックを借りて運ぶ。借りた車は1時間以内に返さなければならないので2往復することになり2時間以上はかかる。タイムロスとお金もロスだ。というのはメーカーの契約では石膏ボード150枚支給される。が実際はそのメーカーが石膏ボードではなくコンパネを使用するようにと勧めている。コンパネを買った分は石膏ボードを使用しないことになるがその未使用分の精算はしてくれずコンパネの購入費用は自分の持ち出しになったからだ。家全体で結局20枚ほど使用した。
ともかく買ってきたコンパネの施工にとりかかる。

しかしその前にワイフの強い勧めもあって洗面所は腰壁に床材と同じパイン材を使って貼ってからにする。これは少し冒険だった、それは使用する面積は大した量ではないが肝心の床材が足りなくなる恐れがある。何しろ床はまだほとんど貼っていないのでどれだけ余りが出るのか分からないからだ。そこで綿密に電卓で計算をしたところ1メートルぐらいの長さの板をカットする場合、なんとか大丈夫という結論に達した。腰壁は縦貼りにする。しかしツーバイフォーの間柱も縦に45センチ間隔で取りつけられているので1メートルの高さのところに同じツーバイフォー材を45センチの間隔にぴったり合うようにカットして横に入れて受木とする。取りつけ方法は左右から38ミリのネジを電動ドライバーで打ち込む。左右から打てない部分は上から斜めに45度の角度をつけて打ち込む。そしてやっとパイン材を縦に施工だ。これは38ミリのスクリュ―ネイルを金槌で打つ。
こうしてやっと腰壁が出来て今度はコンパネの番だ。まず寸法を測ってからリビングでその通りにカットする。
しかし、いざカットしたコンパネをあててみると微妙にずれる、大体は数ミリ大き過ぎるのだ。だから左から右へ貼っていくと一番右の部分に来たときに必ずほんのあと数ミリのところで入らない。なんてことだ、本当にあと1ミリか2ミリのことなのにどうしても入らない。これが実に困った問題だ。このことは以後、コンパネであろうと石膏ボードであろうとひんぱんに起きた現象だ。あとから数ミリカットするというのは実にやりにくい。細過ぎて真っ直ぐ切れないのだ。電ノコには真っ直ぐにカットするためのガイドがついているが板の幅が大体20センチ以上もあると使えないので目測でカットすることになる。当然ゆがんでしまうので仕上りが良くない。
あと面倒だったのは洗面所に置く洗濯機用の水道の蛇口のカットだ。この時はジグソーを持っていなかったのでまず電動ドリルで直径10ミリの穴を空けてから手動の回し曳きノコでガリガリとやる。コンセントの穴も同様だ。これは縦に長方形なので寸法を測ってから鉛筆で引いた線に沿って回し曳きノコでカットする。最初は中々ぴったりいかない。大き過ぎて壁の中が見えるくらいになったり、小さすぎて、もう1度カットし直したりした。もうこの作業は本当に試行錯誤の状態で進める。慣れるよりしようがないと思った。
それから洗面所の流しに向かって右側に洗面道具を置くための飾り棚をつくることにした。
ワイフと私の2人使えるように2段の棚にする。
これは要するにツーバイフォー材の奥行き9センチを利用して作りたい大きさの棚の部分だけコンパネを貼らないで空けておくのだ。こうするとその棚の部分の奥の壁は反対の壁が見えている状態になる。この飾り棚の反対側はリビングルームのキッチンコーナーなのでその壁の裏側が洗面所の飾り棚の奥行きの壁となる。
これは作るのは結構、手間暇がかかるが、その出来あがりを見ると中々楽しい。これはツーバイフォーのとても良い利点だと思う。ログハウスではまったくこれは出来ない、在来工法でも壁のある面に穴を空けるようなことは出来ない。

このような飾り棚をあちこちに作った。何しろ好きなところに作ることが可能だ。玄関ホールを入ってすぐ左の壁、トイレの壁、寝室の入口を入った所などだ。
この飾り棚の棚板は、いろいろ考えたが床材に使う厚さ17ミリのパイン材をカットして
みた。これも冒険だったが左右のコーナーをグラインダーで丸くして、紙やすりをかけてからグリーンのペイントを塗ってみると中々うまくいった。しかしグラインダーをかけた時は板がやたらと焦げて黒煙があがり、作業場のリビングは一時焦げ臭い匂いで充満した。仕上りはとても床と同じ素材とは見えないで棚板用の板にみえるから不思議だ。これは今でも気に入っている。
それから風呂場のドアの回りの隙間が結構空いていてそれをぴったりふさいで最後にケーシングで隠すのだがこれがなかなか厄介だった。これは厚さ20ミリの窓枠延長材と12ミリのコンパネと5ミリのベニアの組合せでなんとか埋めることが出来た。出来あがってしまえば何ということはないのだが相談する人が側にいないので必要な厚さにするのに苦労した部分だった。
 2001/11/29  7 石膏ボード貼り


壁の施工に入る。壁の材料は原則として石膏ボードを使用する。但し水がかかる場所はコンパネを使用する。キッチンと洗面所がこれにあたる。これは石膏ボードは遮音性や防寒性に優れているといわれているが水にはめっぽう弱いからだ。リビングルームから始めることにする。石膏ボードのサイズは182センチx91センチであるがさて壁のサイズを測ってみて驚いた。というのはツーバイフォー構造は45センチ間隔に間柱として壁に垂直に立っているはずだからかなりの部分はボードをカットせずに貼れるものだと思っていた.。しかし実際はカットせずには貼れない。それほど少しづつずれている。

貼る順序は下から上に貼る。そしてボードは縦に貼る。1枚目は床から貼るがボードの重みで下に沈むことを考慮して床から10ミリくらい上げておかねばならない。このため丁度10ミリの厚さのコンパネの切れ端があったのでもっぱらそれを使う。この板を下に敷いてその上にボードを乗せて電動ドライバーでビスを打つ。1枚のボードにつき使うビスは18本から21本もある。38ミリの長さであるが電動ドライバーを使うとビスはあっという間に入って行く。こうして始めは大したことはないと思っていたが、どっこいそうは行かない。このドライバーを持つ手が痛くなってくる、意外にこのドライバーのバッテリーが重いのだ。結局、ビスの数は約3000本も打ったがドライバーは少しでも軽い方が良いとつくづく思った。

ところで電動ドライバーについて一言、説明しておきたい。
これはあとから気がついたことだが、インパクトドライバーは一般的に小型で軽い。
更に75ミリの長いビスを打つ時には絶大な威力を発揮する。つまり叩きながら打ちこむのであっという間に入っていく。ビスはずっと押しつけておかねばならないから時間が短い方が楽だ、それにビスを押しつける力もうんと軽くて済むのでほとんど疲れない。これは大工さんのものを借りてほんの1,2本打っただけですぐに感じた次第である。最もインパクトドライバーにも不都合なところがある。それは私が買った電動ドライバーはインパクト式ではないけれど1台でビス止めと穴あけの2役をこなせる。同じ値段でインパクトドライバーを買おうとすれば単機能のものしか買えない。つまりビス止めだけしか出来ない。このため穴あけをしたければもう1台の穴あけ用を買わなければならない。それはドリルドライバーと呼ばれている。私が買い求めたのは一緒に買いに行ってくれた友人のアドバイスで1台で2役をこなすドリルドライバーと呼ばれているものだ。重いけれど後の作業でこの2役があるために大いに役に立った。
電動工具を買うときはこうした道具の機能の違いと自分の使い方を考えてから買い求めた方が良い。それにより、あとあとの作業が楽になったり、不都合が出てきたりする。
さてボードのカットは結構、力もいるし辛抱強くやらないとならない作業だ。カットにはカッターナイフを使い、表から刃を入れて深さを厚みの半分くらいまで切り込み、つまり5、6ミリの深さまで力を入れて刃を入れてからカットする。次に片方の端を両手で持ち、ちょっと下に押し下げるとパキッと折れる。更にボードを裏返して表側の切れ目を確認しながら紙を切るのと同じ感覚で裏紙を切る。

天井材貼りと同様にこの石膏ボード貼りの作業も始めは大変だが慣れると次第に要領が分かって自然に体が動くようになるのが分かる。これこそ「習うより慣れろ」だと実感した。
しかしカットをするたびにボードの中身の石灰がボロボロと崩れて粉になって作業の周りが真っ白になるのには参った。この作業はワイフがずいぶんとやってくれたので助かった。髪も手も真っ白になって一生懸命やってくれたので今でも感謝している。しかも家作りの後半になるとあの重い電動ドライバーを右手に自分でボードを持ち上げビス止めをやっているではないか。1階の寝室の壁塗りをやっていた時など2階の奥のほうからウイーンというあの耳慣れた電動の音がするのだ。始めの頃は回転音が不規則で途中で止まったり、遅くなったりしていて内心はらはらしていたが、何日かたつと回転音も一定で中々うまくなっている。ああ、自分もあんな風に慣れてはうまくなってきたんだなあと感心する。
さてこのボード貼りでは思いもがけないトラブルがあった。
それは2階の8畳の洋間の壁の作業を終えて下の階に降りてスライドソーのコードをコンセントにさした時に起きた。ウンともスンともいわないのだ。リビングルームにあるコンセント4ヶ所を次々に試してみるが反応がない。寝室や洗面所を試してみると電気がきており使える。部分的な停電だ。
これは家の内部の配線の問題だと直感したのですぐに携帯で電気屋さんを呼ぶ。彼はすぐに来てくれたが中々原因が分からず次第にあせってきて2階の寝室の床を一部切り取って調べたり、2枚ほど石膏ボードをはがしたりしている。結局、分かったのは2階の南側の壁の配線コードが壁の右から左へ間柱を抜けて通してあるがその間柱を通した時の穴が手前に空けすぎていてボードを止めた38ミリのビスがそのコードを切断していることが判明した。ショートをおこして少し焦げていたがへたをすると火事になるところだ。
これは明らかに電気屋の施工ミスだ。なぜなら間柱の奥行きは90ミリある。ここに38ミリのビスを打ちこんでいるのだが石膏ボードの厚みが12ミリあるので間柱には90ミリのうち手前から26ミリしか入っていない、それなのにコードを切断してショートしていたというのは全くケアレスな施工というしかない。コードを間柱の横に通してある個所は他にいくらでもあり他の個所はこのようなショートは起こしていない。
この話は後日談があってその後、全部の電気工事費の支払の時になんとこの時の修正工事費を追加請求された。これは強く抗議をして取り下げてもらったが実際は何が起こるか分からないので注意が必要だ。プロでも失敗はあるという例だろう。
 2001/11/15  6 天井貼り

私が建てている家はツーバイフォーであるがその施工順序はまず壁に断熱材を貼ってから、天井、次に壁、最後に床を施工する。つまり上から下へと下がっていく順序だ。
このため、ある部分の壁だけは足元のスペースが空いているから先にやっておこうとかは出来ない、これが実に困ったこともある。例えばリビングの壁は面積が大変広く、しかも吹抜けなので見上げるほどの高さがある。そこでつい先に少しでも貼っておきたいという気がおきてくるのだ。壁の施工は厚さ12ミリの石膏ボードを使用するがこれはリビングの南寄りの床に横にして積み上げてある。これが実に作業に邪魔な上に1枚が結構重いので早く片付けてしまいたいのだ。

それはともかく水回り機器、つまりトイレ、洗面所、キッチンの流し、これらの上の天井は無我夢中でやった。
いよいよ次は各部屋毎にきっちりと貼る。使う天井材は厚さ7ミリのパイン材である。
まず1階の寝室の押入れから始める。たった畳半分の広さだが慣れていないのでどうにも時間がかかる。幅、奥行きともに80センチだ。しかし貼ろうとする天井材の両端をとめる部分に受け木がないので角材を打たねばならない。幸い、幅5センチ位の杉の角材が何本もあるのでそれを使う。これはブルーの塗装をした長い釘を使う。
80センチの長さに2本分をカットすればすぐに打てると思って計測するとこれがままにならない。というのはツーバイフォー工法はおよそ45センチ間隔にかならず間柱があり80センチではなく45センチ弱に2本づつカットしなければならない。
天井材の施工は真上に釘を打つという過酷な作業だ。エアガンは使わないで昔ながらの金槌での手打ちだ。真鍮メッキの釘を使うがこれがまた中々すぐに入らないでよく抜けて目の上に落ちてくる。この天井材の幅は85ミリなのでたった半間の奥行きでも11枚も貼る。最後の1枚が85ミリではなく必ず中途半端な幅になるので板を横にカットしなければならずこれが最も時間がかかった。それまでの10枚を貼るのと最後の1枚をカットして隙間のないように貼るのと同じ位の時間がかかる。これはその後のどの部屋の施工でも同じだった。半日以上もかけてやっと出来た時は8畳分位仕上げたような気分になった。

次に同じ寝室の部屋にとりかかる。今度は広々としているが幅は355センチ位あるのでいざ天井に押し付けてみると両端が大きく垂れ下がってうまく前の板に入らない。脚立から降りたり上がったり忙しい。考えた末、片方の端の壁に細い角材を打ちつけてその角材の上に板を仮に置くようにした。こうすると角材のない反対側を手で押さえながらまず1本だけ釘を打ち固定するようにした。こうして大分、要領が分かってきた。
リビングの傾斜天井を施工する頃は幸い息子が泊り込みで手伝いに来てくれた。この年は雪が多く息子も驚いていて手伝いよりもスキー場に行きたいようなことを言っていた。
この息子が手伝えるのは2、3日しかないので大急ぎで材料カットをする。スライドソーが大活躍する。しかし薄い板とはいえ一度にあまりたくさんはカットできない。どうしてもカットの途中でずれるので4枚くらいづつカットする。長さも長いので部屋の真ん中に陣取っているヤグラの足をよけながらスライドソーに持ってくるのが一苦労だ。片方をカットした後、反対側の木口もカットする時は泣きだ。つまりスライドソーは部屋の右よりに置いてあるが4メートルの板を左右逆にひっくり返さなければならず結構疲れる。ヤグラにもぶつかるし、工事用の電球のコードにもひっかかるので気を使う。こうしてともかく1回の寝室、玄関ホール,リビングルームを仕上た。2階は階段の上が足場が不安定で大変だった。ツーバイフォーの角材を階段上の90センチの幅に渡してビス止めしてその上に乗って傾斜天井を1枚1枚貼る。下を見ると3メートルくらい足元は何もない空間だが
なるべく下を見ないようにして作業をする。全部仕上た時はさすがに首が疲れてしばらく痛みがとれなかったが日が経つにつれてそれも直った。

*お断り 前々回の原稿が1週遅れて掲載されました事をお詫びします。このコーナーは今のところ隔週の発行となっておりますが近々各週発行に持って行きますのでご愛読下さい。又このコーナーに対するご意見、ご質問等ありましたら遠慮なくご連絡下さい。


OPEN THE DOOR Topページに戻る